イベントレポート
イベントレポート|カイコーふしぎ実験室

2022年8月27日(土)に長浜カイコーで「カイコーふしぎ実験室~光の「なぜ」をふかめよう~」を開催しました。2時間という長めの時間ではありましたが、7歳と10歳の子どもたち2名が参加してくださいました。
講師を務めたのは副島拓歩(そえじま たくほ)と服部慎吾(はっとり しんご)の2名。共に長浜カイコーのスタッフで滋賀大学に通う学生です。2人の「子どもたちの夏休みに合わせた実験企画をやろう」というアイデアから企画されました。また、本イベントには「日常に起きる現象に興味を持ってほしい」「子どもたちの疑問を一緒に考えたい」という2人の狙い・願いも込められています。
そのため、今回の実験の最終目標を「虹ができる原理を理解すること」に設定し、それを理解するための要素を4つの実験で確認していきました。内容としては明らかに小学生の学習範囲を逸脱したものではありましたが、簡単な言葉、最後に繋がる構成、視覚的に分かりやすい実験を用意し、「これなら理解できる」と確信したうえで臨みました。
実験①は「色」についての実験です。ここでは、光源でない物は光を反射することで見えていること、白い光は7色の光が集まった状態であること(今回は分かりやすくするために7色と紹介しています)の2点を伝えました。実験内容としては、3色のりんごのイラストを用意し、色セロハンを使って赤、青、緑の色の光で照らした時のりんごの見え方の違いを見てもらいました。光の色を変える度に、「さっき緑だと思ったけど青に見える!」というように色が変化して見えることに驚いているようでした。
実験②は「光の屈折」についてです。ここでは光が物体の境界面で曲がる、物体によって曲がる大きさが違うということを伝えました。実験内容としては、水、油をそれぞれ透明なカップに入れ、ストローを挿し、その変化を見るというものです。横から見た時と上からのぞいた時のそれぞれの違いを確認しました。最初に水で実験し、その後油で実験をする前に、どうなると思うか仮説を立ててもらいました。2人とも「水と同じだと思う」と答えましたが、実際は油の方がストローが歪んで見え、驚いているようでした。
実験③は「全反射」についてです。ここでは、実験②の「物体によって曲がる大きさが違う」ということを踏まえたうえで、透明なのに角度によっては光を反射してしまうということを伝えました。実験内容としては、ペットボトルの中に物体を入れ、水槽に沈めます。ペットボトル内が空気である時と、水である時で物体の見え方の違いを見ました。また、これだけでは原理が分かりづらいため、もう一つ簡単な実験を行いました。水槽の向こう側に物体を置き、水槽の上部から覗くとその物体が見えなくなるというものです。水槽の横から見ると物体が見えるのに、上から見ると見えなくなることを不思議に感じているようでした。
実験④は「白い光から7色の光を作る」実験です。いわゆる「水プリズム」というものです。アクリル容器に水を入れ、白い光の懐中電灯を絞り、暗い部屋に疑似的な虹を作りました。子どもたちに虹が発現する角度を探してもらい、実際に虹ができるととても喜んでいる姿が印象的で、この日1番の歓声が挙がっていました。
その後、実験①~④を通して学んだことを使って、空に虹ができる原理を説明しました。これまでにやったことの振り返りをしながらの説明でしたが、かなり覚えていてとても嬉しかったです。
最後にまとめを文章と絵で表現してもらいました。実験の様子、原理を図示したもの等を思い思いに描いていました。「特に面白かったところ」を書くパートでは2人共に実験④の虹を作ったことを挙げており、イベント1番の目玉であった実験を喜んでくれて良かったです。
企画段階では中々思い通りに行かなかったり、問題点が沢山あったりと難航していました。まずは、無事開催できたことを嬉しく思います。ご協力いただいたスタッフの皆さま、相談に乗ってくださった方々、ありがとうございました。反省点も多くありますので、しっかりと振り返り、次に繋げて行く所存です。今後ともよろしくお願いいたします。
(2022年9月9日 服部慎吾)